追記(2026年9月)
本記事は2026年2月11日に、北海道での転勤生活と自家用車の扱いについて執筆したものです。実名での発信へ移行するにあたり、全道異動のある職員にとって、自家用車を持つ・持たない・手放すという判断が、住居や通信環境と同じく生活設計の一部であるという観点から内容を整理しています。
関係者各位
いつも大変お世話になっております。
元道庁職員の白川部けいたでございます。
標記の件につきまして、下記のとおりお知らせいたします。
北海道の転勤生活では「車をどうするか」が毎回ついてくる
北海道で転勤を伴う仕事をしていると、住居や引越しと並んで、自家用車をどうするかという問題がついて回ります。
特に道内各地へ異動する可能性がある職場では、赴任地によって生活条件が大きく変わります。
振興局勤務時代、周囲の職員の多くは、通勤や買い物、休日の移動などを考えて車を所有していました。地域によっては、公共交通だけで生活を組み立てることが難しい場面もあります。
一方で、札幌市内へ戻れば事情は変わります。地下鉄やJR、バスで日常生活を完結できる人も多く、駐車場代や保険、税金、整備費、冬タイヤなどを考えると、「車を持たない」という選択肢も現実味を帯びてきます。
私自身は、道庁在職中から現在に至るまで、一度も自家用車を所有していません。振興局勤務時代には「車がなくて大丈夫か」と言われることもありましたが、不便はありつつも生活することはできました。
だからこそ感じるのは、車を持つことが正解でも、持たないことが正解でもないということです。赴任地と生活スタイルによって、答えが変わります。
地方では必需品、札幌では「選択肢」になる
自家用車の負担は、購入費だけではありません。
駐車場、任意保険、自動車税、車検、整備、燃料、冬タイヤ、除雪や洗車など、所有している限り継続的に費用と手間がかかります。
地方勤務では、それらの負担を差し引いても車がある方が圧倒的に便利という地域があります。反対に、公共交通が充実した地域へ異動すると、維持費の方が重く感じられることもあります。
転勤族にとって厄介なのは、この判断を一度すれば終わりではないことです。数年後の異動によって、また生活条件が変わります。
「地方へ行くから買う」「札幌へ戻ったから手放す」と毎回単純に決められるわけでもありません。家族が使うのか、通勤に必要なのか、ローンが残っているのか、次の異動がいつなのか。考える要素は少なくありません。
人事上は一行の異動辞令でも、生活者側では資産の持ち方まで見直すことになる。それが、北海道で働く転勤族の生活実感だと思います。
事故や老朽化で突然「手放す判断」が来ることもある
車を手放す理由は、異動だけではありません。
北海道では、郊外や夜間の運転でエゾシカなどの野生動物と遭遇することもあります。振興局勤務時代にも、鹿との衝突で車が大きく損傷したという話を身近で耳にしました。
もちろん、鹿との衝突だけが特別な問題というわけではありません。事故や故障、老朽化によって、修理して乗り続けるのか、買い替えるのか、手放すのかを突然判断しなければならない場面は誰にでもあり得ます。
こうしたとき、「車は売るもの」という発想だけだと、状態の悪い車に値段がつかず困ることがあります。
一方で、自動車は使用を終えた後も、部品や金属などが再利用される仕組みの中で処理されます。状態によっては、中古車として売る以外にも、廃車として適切に処理するという選択肢があります。
大事なのは、「値段がつくかどうか」だけで判断せず、今後の生活、修理費、維持費まで含めて考えることだと思います。
売る・乗り続ける・廃車する――選択肢は一つではない
車を手放す方法には、いくつかあります。
ディーラーでの下取り、中古車買取、知人への譲渡、そして廃車。どの方法が適切かは、車の状態や年式、走行距離、その後の生活によって変わります。
私は車を所有した経験がないため、「この方法が最も得だ」と断言するつもりはありません。
ただ、周囲の転勤生活を見ていると、「今まで持っていたから、この先も持ち続ける」という惰性だけで判断しないことは大切だと感じます。
例えば、札幌市内で駐車場代を払いながら年に数回しか乗らないのであれば、レンタカーやカーシェアを使う方が合理的な場合もあります。逆に、郊外勤務や家族の移動を考えれば、維持費を払ってでも車を持つ価値がある場合もあります。
自家用車は便利な道具である一方、金額の大きい資産でもあります。転勤をきっかけに、自分の生活に本当に必要かを一度見直すことは、決して後ろ向きな判断ではありません。
異動のたびに生活コストを組み直すということ
前の記事では、転勤とインターネット環境について書きました。
今回の車の話も、本質は同じです。
人事異動は、組織の中では配置の変更です。しかし、職員本人や家族にとっては、住居、通信、交通手段、家計、生活時間をまとめて組み替える出来事です。
自家用車についても、持ち続けるのか、買い替えるのか、手放すのか。正解は赴任地と生活状況によって変わります。
広い北海道でさまざまな地域を経験すること自体には意味があります。私自身、振興局勤務を経験したことで、本庁にいた頃とは違う北海道の姿を見ることができました。
一方で、転勤を前提とする組織だからこそ、異動に伴う生活コストまで含めて考える視点も必要だと思います。
人事異動の辞令には、「車をどうするか」までは書かれていません。
しかし、北海道で暮らす職員にとって、自家用車は住居や通信環境と同じくらい生活に直結する問題です。
全道異動のある仕事では、こうした生活の組み替えまで含めて「異動」なのだと、今になって改めて感じます。
以上、異動に伴う自家用車の扱いについてお知らせいたしました。
何卒よろしくお願い申し上げます。
令和8(2026)年2月11日
この記事は、元道庁職員としての個人的体験と見解に基づいています。
行政・公務員の世界に関心のある方の参考になれば幸いです。




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