【検証】道庁の人事評価は本当に機能しているかにつきまして

公務員

関係者各位

いつも大変お世話になっております。
元道庁職員鈴木邪道でございます。
標記の件につきまして、下記のとおり検証いたします。

今は公務員も評価制度があって待遇に差が出るんでしょう?

これは、公務員志望者や民間の方からよく聞かれる言葉です。

では実際のところ、道庁の人事評価は機能しているのでしょうか。 元職員としての経験をもとに、制度の“建前”と“現実”を整理してみます。

「評価制度」は一応、存在する

まず前提として、道庁にも人事評価制度はあります。
評価シートは毎年作成され、目標設定、自己評価、上司との面談も行われます。

シートには、

  • 今年度の目標
  • 達成度の自己評価
  • 5年後、10年後になっていたい姿

といった、いかにも人材育成らしい項目が並びます。

形式だけ見れば、PDCAは回っているように見えます。
しかし、職員の多くはこの制度を本気では信じていません。

なぜなら、評価結果がほとんど何にも連動しないからです。

評価が処遇にほぼ影響しない現実

人事評価が機能しない最大の理由は、評価が処遇に与える影響が極めて小さいことです。

昇給差はありますが、正直なところ誤差レベルです。
最終的には帳尻が合うように調整され、“大して差がつかない”仕組みになっています。

昇進についても、評価より年次やポストの空きが支配的です。
どれだけ高評価でも、異動は普通に来ます。

財政や人事といった一部の部署では、露骨に部署内ローテーションが行われますが、彼らは彼らで人間らしい生活をほぼ捨てているので、正直うらやましくはありません。

一方、低評価でも居座れます。
むしろ“外に出したら危険”という理由で、異動が止まるケースすらあります。

この状況で“頑張れば報われる”と考える方が難しいでしょう。

評価する側も本気ではない

評価制度が機能しないのは、評価される側だけの問題ではありません。
評価する側も、本気ではありません。

評価シートを見ると、
「概ね良好」「期待どおり」「引き続き努力を期待する」
といった無難な文言が並びます。

理由は単純です。
悪い評価を書くと、面談が面倒になるからです。
場合によってはトラブルにもなります。

結果として、全員にそこそこ良い点数をつける。
波風を立てないことが最優先されます。

こうして評価は“儀式化”します。
評価を受ける側も、書いているうちに
「自分のアイデンティティやオリジナリティは、ここでは意味がないな」
という感覚を覚えるようになります。

“できる人ほど損をする”逆転現象

この制度のもとで起きるのが、
“できる人ほど損をする”逆転現象です。

仕事ができる人には、仕事が集まります。
責任も増えます。
トラブル対応も任されます。

しかし、評価は横並びです。
給料も大きくは変わりません。

残るのは、疲弊だけです。

一方、できない人もクビにはなりません。
結果として、“迷惑職員”が温存され続けます。

これは個人の問題ではなく、構造の問題です。

評価制度が機能しない理由の本質

なぜ、こうなるのか。
理由はいくつもあります。

まず、人が多すぎます。
数万人規模の組織で、個々の成果を正確に把握すること自体が困難です。

次に、業務が属人化しすぎています。
担当が変われば評価基準も変わる。

さらに、成果を数値化しにくい仕事が大半です。
行政の仕事の多くは、“法令にのっとって処理するだけの作業です。

そこに無理やり評価を付けようとする方が、不健全で無意味とも言えます。

結局、制度の問題というより文化の問題です。
“無難が正解”という空気の中では、どんな評価制度も形骸化します。

おわりに

道庁の人事評価制度は、存在はしています。
しかし、機能しているかと問われれば、答えは限りなく「いいえ」に近い。

公務員志望者の方には、ぜひ知っておいてほしいと思います。
ここでは、“評価されるから頑張る”という発想は、あまり成立しません。
“頑張ったから評価される”という発想は、もっと成立しません。それが現実です。
それでもなお、公務員という仕事を選ぶのであれば、
何を拠り所に働くのかを、事前に考えておく必要があります。

人事評価が機能しないのは、怠慢ではありません。
組織の性質そのものなのです。

これは、公務員組織に限らず、民間企業でも同じだと思います。
物を左から横に流していく商社や卸売、指示されたものを指定の場所へ運ぶ運送業で何を“劇的に”改善して“評価アップ”に繋げるのか。
消費者が買いたいと思わなくなればそれまでの製品を製造する個々の労働者が、何を“需要喚起”して“前年比2倍”なんて達成するのか。

大して高くもない給料で雇われている“普通の労働者”個々人の働きぶりを無理やり評価すること自体がナンセンスなのは官も民もさして変わりません。

以上、道庁の人事評価は本当に機能しているのかについて考察いたしました。
何卒よろしくお願い申し上げます。

令和8(2026)年1月11日

北海道庁生存戦略部
異端企画局
内部是正推進課非公式記録整理係
主事 鈴木邪道

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