【通知】なぜ“生保レディ”は庁舎に自由に出入りできるのかにつきまして

北海道庁

関係者各位

いつも大変お世話になっております。
元道庁職員鈴木邪道でございます。
標記の件につきまして、下記のとおりお知らせいたします。

「庁舎の昼休み」は外界と繋がる唯一の“隙間”

昼休み。
それは道庁職員にとって、数少ない自由時間のように見えて、実は最も無防備な時間です。
午前中に積み上がったメール、午後に待ち構える会議資料。
その狭間の45分、あるいは60分。
机に広げたセイコーマートの惣菜弁当とインスタント味噌汁。
スマホを見つめる無言の群れ。
そこへ“彼女たち”がやってきます。
そう、生保レディです。

既に彼女たちについては、前回の記事「【観察記録】公務員の昼休みの沈黙につきまして」でも触れています。

手作り風のチラシを携え、静かに、しかし確実に庁舎へ侵入してくる民間営業部隊。それが彼女たちです。

「昼休み」という名の“営業タイム”

入庁1年目の〇〇係時代、私の昼休みはだいたい同じでした。
机で弁当を食べて、お茶を飲んで、スマホをいじって15分くらい昼寝して終わり。
そんな中、彼女たちは毎日のようにやってきました
「お疲れさまで〜す!」という柔らかい声とともに、クイズや占いの印刷された手作りチラシを机に置いていく。不在者の机にはそっと置き、在席している職員には話しかける。
「先週の占いどうでした?」
「最近、保険の見直しとかされてます?」
一見、和やかな昼のワンシーンですね。
ですがこれ、冷静に見れば紛れもない「不法侵入型営業活動」です。

職員たちの反応は“風景の一部”

新人の私以外は、誰も驚きません。完全に“日常”として受け入れていました。
話しかけられない限りはみんな無視。
机にチラシを置かれてもノーリアクション。すれ違う時も軽く会釈して華麗にスルー。
ですが、友達が少なそうな人忙しくなさそうな上司は、妙に嬉しそうに話し込んでいる。鼻の下伸ばして…。
この光景に管理職は見て見ぬふりです。
本庁舎の場合、各執務室への民間人の立ち入りは、形式上“課長の裁量”で管理されています。
しかし現実には、生保レディを“出禁”にしている部署など皆無、聞いたことありません。
彼女たちは堂々と出入りし、昼休みを営業チャンスの黄金時間帯として活用しています。

なぜ誰もおかしいと思わないのか

最初に抱いた感情は“嫌悪”でした。

鈴木邪道
鈴木邪道

人の昼休みを奪ってんじゃねぇよ

鈴木邪道
鈴木邪道

保険なんて入らねぇよ

そして、その後に押し寄せたのは“違和感”です。
いくら営業活動といえど、執務室にまで入ってくるのはどう考えてもおかしい。
机の上には公文書や内部資料もあります。
情報管理の観点からしても危険極まりないですよね。
それなのに、誰も問題視しません
庁舎の中に“民間営業が常駐する”状態を、全員が当然として受け入れている。
僕はその光景に、道庁組織の事なかれ主義と他人への無関心を見ました。

庁舎のセキュリティゲートは何のためにある?

その後、道庁本庁舎にもセキュリティゲートが導入されました。私は既に退職していたので、細かい運用は分かりませんが、聞いたところによると職員は職員スマホをかざして入れるようです。
ですが、申請すれば誰でも入れる
つまり、生保レディブロック機能はゼロです。
コロナ禍で一時的に彼女たちの姿は減りました。
しかし、北海道庁という“情弱で時代遅れな草刈り場”は、今でも彼女たちにとっては最高の営業舞台だと思います。
人の時間を平然と奪い、職員の心理的疲弊を雑談として誤魔化す…。
生保レディは、まさにこの組織の病巣を象徴する存在と言えるでしょう。

道庁職員の昼休みは、彼女たちの稼ぎ時である

本来、庁舎は行政のための空間です。
しかし、いつのまにか民間営業の楽園となっています。
ここまで書いておいてあれですが、根本的な問題は、生保レディではありません。
彼女たちを放置してきた公務員組織の無関心がそもそもの問題です。
昼休みの静けさの中に、組織の怠惰と依存で庁舎が軋むが聞こえていた、そんなふうに思います。

以上、なぜ“生保レディ”は庁舎に自由に出入りできるのかについてお知らせいたしました。
何卒よろしくお願い申し上げます。

令和7(2025)年11月28日

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
北海道庁生存戦略部
異端企画局
内部是正推進課非公式記録整理係
主事 鈴木邪道
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

コメント

タイトルとURLをコピーしました