【紹介】北海道庁で尊敬できた上司および同僚たちにつきまして

行政組織・公務員

追記(2026年9月)

本記事は2025年11月16日に執筆した記事です。実名での発信へ移行するにあたり、当時の趣旨や感謝の気持ちを変えない範囲で、個人が不必要に特定される情報や過度に断定的な表現を整理・加筆しています。

関係者各位

いつも大変お世話になっております。
元道庁職員の白川部けいたでございます。

標記の件につきまして、下記のとおりお知らせいたします。

尊敬できる人は、確かにいた

このブログでは、北海道庁で働いた経験を振り返りながら、行政組織の硬直した慣行や、責任の所在が見えにくい仕事の進め方について書いてきました。

ただ、だからといって、道庁で出会った人たちをひとまとめに否定したいわけではありません。むしろ、組織の空気に流されず、相手を一人の人間として尊重し、誠実に仕事をしている職員も確かにいました。

当時の私にとって、そうした人たちの存在はかなり大きなものでした。今回は、私が道庁時代に本当に尊敬した上司や同僚について、個人が特定されない範囲で記録しておきたいと思います。

民間経験を持つ、年上の同期

最初に思い浮かぶのは、同じ年に採用された年上の同期です。前職では民間の金融機関で働いており、行政しか知らなかった私とは違う現実感覚を持っていました。

派手なタイプではありませんでしたが、仕事ぶりはとても誠実でした。上司に必要以上に媚びることもなく、かといって周囲と距離を置くわけでもない。「やるべきことを、きちんとやる」という姿勢が一貫していました。

こちらが困っていると、「それ、やっておくよ」と自然に手を差し伸べてくれる。見返りを求めるでもなく、自分の仕事ぶりを誇示するでもない。そうした振る舞いから、仕事における誠実さとは何かを学びました。

年齢差があっても、年下の私の意見をきちんと聞いてくれました。仕事外でも気さくに付き合える人で、ドライブ旅行に出かけるくらいには仲が良かったです。

彼のような人が近くにいたことは、道庁時代の私にとって大きな支えでした。組織への不満を抱えながらも、「ここには信頼できる人もいる」と思えた理由の一つです。

怒るのではなく、教えてくれた先輩

入庁2年目、予算関係の業務を担当していた頃にも、強く尊敬した先輩がいました。

繁忙期は仕事量が多く、私自身も余裕を失いがちな時期でした。そんな中で、その先輩はミスがあっても感情的に責めるのではなく、「ここを直そう」「次はこうすれば大丈夫」と、落ち着いて伝えてくれました。

今振り返っても、「怒ること」と「教えること」をきちんと分けていた人だったと思います。

一度、大きなミスに気づいて私が焦っていたときも、先輩は必要以上に責めることなく、「こういうときほど落ち着いて確認しよう」と声をかけてくれました。その言葉で、私は目の前の作業に戻ることができました。

仕事では、知識や処理能力だけでなく、相手が力を発揮できる状態をつくることも重要です。私はこの先輩から、そのことを学びました。

立て直す時間を与えてくれた係長と課長補佐

3年目の春、私はそれまでの仕事の蓄積もあり、心身ともにかなり疲れていました。朝、思うように動けず、出勤できない日もありました。

そんな時期に、当時の係長と課長補佐は、無理に励ましたり、事情を根掘り葉掘り聞いたりするのではなく、「今できる範囲でやろう」「困ったらすぐ言ってほしい」と接してくれました。

前年までに経験した業務をある程度把握していたこともあり、細かな指示で管理するのではなく、私に任せられる部分は任せてくれました。その距離感が、結果として自信を取り戻すきっかけになりました。

人を立て直すのは、強い言葉や精神論ではありません。必要なときに過度に干渉せず、しかし見放さない。その姿勢は、今でも自分が人と関わるときの基準の一つになっています。

問題は「人」だけではなく、組織の空気だった

北海道庁について書こうとすると、「誰が悪かったのか」「どの上司がひどかったのか」という個人の話に寄りがちです。

しかし、私が勤務を振り返って強く感じるのは、個々の職員の善悪だけでは説明できない問題があったということです。

前例を外れることを避ける。自分の所掌を越えない。余計な責任を背負わない。そうした判断が、一人ひとりにとっては合理的でも、積み重なると組織全体の硬直につながります。私自身、そのような「空気」の力を感じる場面が少なくありませんでした。

一方で、今回挙げた人たちは、その中でも相手を肩書や年次だけで見ず、自分なりの基準を持って仕事をしていました。

だからこそ、私は彼らを尊敬しています。組織文化に問題があったとしても、その中でどう振る舞うかまで制度が決めるわけではありません。最後は、一人ひとりがどのように仕事をするかです。

私が受け取ったもの

道庁を辞めた後も、当時の人間関係すべてが途切れたわけではありません。組織に対して強い違和感を抱いて退職した私ですが、そこで出会った人から受け取ったものまで否定するつもりはありません。

誠実に仕事をすること。相手を必要以上に威圧しないこと。困っている人を自然に支えること。立場が上になっても、相手を一人の人間として扱うこと。

どれも当たり前のように見えますが、忙しく、責任が重く、余裕がなくなるほど実践するのは難しくなります。だからこそ、それを続けていた人たちを私は今でも尊敬しています。

行政組織を良くするためには、制度や人事、業務の仕組みを変えることが必要です。同時に、制度だけで組織文化が変わるわけでもありません。

私自身、あの組織の中でそうした人たちに支えられました。だからこそ、空気に流されず、自分なりの筋を持って働く人がいることには意味があると思っています。

北海道庁での経験には、今でも批判的に考えていることが多くあります。それでも、「あの場所で働いた時間のすべてが無駄だった」とは思いません。尊敬できる人たちと働けたこともまた、私の道庁時代の大切な一部です。

以上、道庁時代に尊敬できた上司および同僚たちについてお知らせいたしました。

何卒よろしくお願い申し上げます。

令和7(2025)年11月16日

この記事は、元道庁職員としての個人的体験と見解に基づいています。
行政・公務員の世界に関心のある方の参考になれば幸いです。

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